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敷地は交通量の激しい幹線道路から数十メートル入った、密集した住宅地にある。
建物は、東西に長い4.5m×9.9mの狭小住宅で、地階と1階に個室、2階を居間とし、そこに様々なしつらえによって空間の開放感や繋がり、光のうつろいをもたらすことがテーマであった。
南東にある1・2階を貫く光庭は小さなものであるが、南面を半透明のガラススクリーンとし、プライバシーを守りながら各階に多くの光を取込むことができる。
光庭に接して南西の位置に突き出した搭屋は、居間に光を取込む吹抜で、屋上のテラスへの階段を内蔵している。
吹抜は居間に広がりをもたらし、更にハイサイドライトから視線が空へと抜け、取込んだ光はダイアゴナルに奥まで差し込む。
そして1階道路側にはピロティを切り取り、密度の高い街にとっての貴重な空間の広がりを提供している。
注意深く切り取られた外への視線が、密集した場所であることを忘れさせ、小さな家で様々な気分、時が味わえ、家族の生活が静かに彩られるであろう。- 所在地
- 東京都世田谷区東玉川
- 主要用途
- 住宅
- 住人構成
- 夫婦、子供2人
- 敷地面積
- 78m²
- 建築面積
- 39m²
- 延床面積
- 98m²(30T)
- 規模
- 地上2階、地下1階